2018年のICO、証券法順守という挑戦(前半)〜DApps総研研究員レポート〜|DApps(ブロックチェーンを活用したアプリケーション)のことなら

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2018年のICO、証券法順守という挑戦(前半)〜DApps総研研究員レポート〜

■新しい局面を迎えたICO

 規制のないICO市場でのフリーライドは即座に終わりを迎え、規制委員会は無法地帯であった仮想通貨経済圏を調査し始めた。規制委員会の全ての行動や発言はこれからICOがどう規制されるかを示す重大な指標である。代表的な例として、ICOに使われる多くのトークンは証券であり、証券法の下に存在すると認識された。
これによってICOで資金調達を考えるスタートアップは証券法を順守し、それに付随する法問題に対処しなければならない。ICOは新しい経済モデルを提供したが、現存する法律と折り合いをつけるのは簡単ではない。
規制委員会や法律家、投資家の行動・発言の分析を通じて、トークン発行に必要なステップを考えていこう。

 

■様々なICO規制

 証券法は広範囲な法律で、ICOは様々な要件を必要とする。ここではICOに関わる中心的な分野を紹介する。

 

I. AMLとKYC 

 Anti Money Laundering (AML)は汚職や資金洗浄のような違法行為に関わる顧客や取引を見つけるための規制である。金融企業や規制対象の企業(例:トークン発行者)は、顧客や取引全てが合法であることを確かにするためにデューデリジェンスをしなければならない。
Know Your Customer (KYC)はこのフレームワークの中心的なプロセスである。手順としては、
・IDドキュメントを収集、分析し顧客を特定
・顧客がハイリスクリストに載っていないかどうか確認する(政治的影響力のある人物など)
・なりすましや資金洗浄、金融犯罪のリスクを決定する
・顧客の取引行動を予測する

 

このような確認をPublic ICOがするのは難しく、ほとんどのICOはビットコインかイーサリアムでトークンを購入できるようにしている。

 

II. ロックアップ

 ICO終了後のセカンダリーマーケットにも適用される規制もあり、代表的なのは、Regulation Dの下で実行されたICOである。Regulation Dを利用したICOは人気を集めたが、ほとんどの事例は法規定に準拠しなかった。Regulation Dの下ではセキュリティトークンは制限付き証券となり、市場で売られる前の6~12か月のロックアップ期間に従わなければならない。その後もしばし販売は適格投資家に制限される。

 

III. 適格投資家への規制

 いくつかの証券は適格投資家のみが購入することが出来る。このような法律は悪質な投資案件から投資家を守るためにあり、アメリカでは一定以上の資産あるいは収入がある人が適格投資家になれる。この要件はICOにとって大きな問題であり、ERC 20のようなトークンスタンダードは開発者がセールを適格投資家に制限できるシステムは持っていない。このシステムはスマートコントラクトにコード化できるが、どう正確に適格投資家を選択するかが問題である。

 

■法令順守しなかった際の結末

 顧客の特定や正しい情報の明示、適切な規制の適用が出来なかった場合には、深刻な結果が待っている。

 

I.法制裁       :SECによる罰金など
II.投資家による訴訟 :創設者が無記名証券を販売したことに対して過去に投資家が訴えた
III.銀行による禁止令:デューデリジェンスをしていないICOに金融サービスを提供するのは危険であり、

          企業に仮想通貨を扱うことを禁止した
IV.上場が困難となる

 

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このような規制や挑戦、困難はICOの状況を変えるが、ネガティブな影響ばかりではない。(後編へ続く)

 

参照:https://hackernoon.com/ico-in-2018-the-challenges-of-complying-with-securities-laws-ea5ff5be2c59