期待感だけで信頼維持する時代は終わった。本来あるべきICOの姿 〜DApps総研研究員レポート〜|DApps(ブロックチェーンを活用したアプリケーション)のことなら

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期待感だけで信頼維持する時代は終わった。本来あるべきICOの姿 〜DApps総研研究員レポート〜

 現在、約3500プロジェクトがICO(Initial Coin Offering)を行っている、あるいは検討中と言われており、そのうちの約1000プロジェクトは既にICOが終了している。昨年から今日に至るまでに、大きな注目を浴びることとなったICOは、巨額の資金を比較的容易に調達できる方法として”異常”な盛り上がりを見せた。

 DApps、ブロックチェーンがより注目され、インターネットを土台とした従来の市場は大きく変わるだろう。世界のブロックチェーン関連支出額は、2018年の15億ドルから2022年には117億ドルへと順調に成長すると予想されている。そして市場規模は、2022年には世界で1.3兆円、日本国内でも540億円の市場規模に達すると予想されている。いわゆる、第4次産業革命である。


 しかし、このうちプロダクトが出ているプロジェクトは5%以下(α版、β版などを含めても20%以下)であり、ほとんどのプロジェクトがホワイトペーパーやウェブサイトを公開しただけの構想段階にとどまっている。加えて、本社の情報や登記簿所を明らかにしているプロジェクトはわずか30%に過ぎない。まさに”異常”である。
2017年後半から2018年にかけて引き起こされた、いわゆる『仮想通貨バブル』を背景に、不透明なICOプロジェクトは乱立し続けており、このような状況が続いていくことは仮想通貨業界、ひいてはブロックチェーン業界への不信感を強め、成長を阻害しかねない。

 ICOプロジェクトは現状投資家をメインとしているが、今後は投資家のみならずステークホルダーに対して、情報を継続的に分かりやすく伝えていく義務があるのではないだろうか。

 健全な業界の成長を望むには、本来あるべき『情報の透明度が高ければ高いほど良質なプロジェクトである』というムーブメントを起こし、投資家をないがしろにしているプロジェクトは淘汰されていくというエコシステムを構築してくことが必要となるだろう。

 資金調達を終えたプロジェクトが、投資家への情報発信ツールの足掛かりとして行うべきであるのは多言語対応である。とりわけICO投資家が多いアジア圏には、様々な言語に対応することでプロジェクト情報を開示する責任があるともいえる。特に日本は、単一民族、単一言語の国であり英語に対する抵抗感が強いため、日本の投資家の信頼を獲得し広くリーチするには、翻訳ツールによる直訳ではないきちんとした日本語である必要があるだろう。

 トークンの期待感だけで投資家を獲得できる時代は終わりに近付いている。今後ICOプロジェクトが次々に淘汰されていく時代に突入した際、目先のマーケティングではなく、中・長期的な目線で国ごとに適したPRやIRを行い、投資家への説明責任を果たしていくこと。つまり、”淘汰されない”プロジェクト運営が求められていくだろう。