音楽業界に革命!eMusicが創造する新たな音楽業界の世界 〜DApps総研研究員レポート〜|DApps(ブロックチェーンを活用したアプリケーション)のことなら

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音楽業界に革命!eMusicが創造する新たな音楽業界の世界 〜DApps総研研究員レポート〜

音楽アーティストのためのプラットフォーム「eMusic」。10月26日に日本語版ホワイトペーパーが公開されるなど、音楽業界の課題を解決するブロックチェーンの技術が話題になっています。
そこで、DApps総研研究員の視点から見たeMusicの見解を発表します。

 

1)音楽業界の抱えている課題

現在の音楽業界では、販売価格の30%が小売業者、60%がレーベルや出版社、10%がアーティストに配分されています。音楽が市場に出るまでには、たくさんの中間業者が関与しており、それが故にリリースの遅延や中止に発展することも多くあります。

消費者に安価な月額料金で聴き放題のサービスを提供することは、アーティストに大きな代償を強いることになりました。さらに、P2Pで広告収入運営のデジタルミュージックが普及した結果、レーベルや音楽出版社などのコンテンツ保有者は業界における財政的な支配力を維持しようと、サプライチェーン上のすべての層に圧力をかけたのです。結果、アーティストの利益はさらに減ることになりました。

1ストリームあたりの利益はごく僅かなので、アーティストがストリーミングでまずまずの収益をあげるには何百万回もの再生が必要です。そして主要レーベルがマーケットを占有し、交渉力をもっているため、独立系アーティストが本当にファンを作り、十分な収入を得るために必要なストリーム数を獲得する可能性は非常に小さいのです。私自身も独立系アーティストですが、この新しい環境で自分の音楽を聴いてもらうのは厳しいと感じています。そして大多数のアーティストたちが稼げていないためアルバイトも辞められないことを知っています。

収入減少と同時に、自分の音楽をストリーミングしてくれているのがどんな人で、いつ、どこでストリーミングが行われるかといった情報がアーティストに入ることもほとんどありません。業界全体で、透明性が著しく欠けています。もっと合理化された、クリアで自律性のある構造が必要で、それはミュージシャンやレーベル、サービス提供者だけでなく、音楽ファンにとっても良い結果をもたらすはずです。

ストリーミングが増加したにもかかわらずアーティストの収入は減少したという事実、それに透明性の欠如を合わせると、業界のより大きな現実が見えてきます。独立系音楽シーンにおけるサプライチェーンが崩壊しているということです。非効率性、中間業者、その他の障壁が本当の壁となって、アーティストの音楽がスタジオからファンのもとに届くのを邪魔しているのです。

 

 

2)上記の課題にブロックチェーン技術を採用する理由

ブロックチェーンは、ほぼどんな業界においても、中間業者で複雑化したサプライチェーンなどの経済構造を変革できる可能性をもっています。「eMusic」を活用すれば、従来の小売業者やレーベルなどにより中抜きされていた収益が、ブロックチェーン技術を採用することでアーティストたちに届くようになります。

 

■ 取引の透明性

ブロックチェーン経済は、スマートコントラクトのおかげで機能します。現実世界のプロセスや、ビジネス・ロジック、権利所有者の合意などを記録できます。独立系アーティストの場合、合理的な音楽ファイル、契約、ロイヤリティ支払いが記録できます。

スマートコントラクトを用いて、楽曲やアルバムの全てのアップロード、購入、ストリーミング等がブロックチェーンに記録されます。アーティストにとって、自分の音楽に関する権利や報酬が完全に可視化されます。アーティストやレーベルは、音楽の印税やデータのチェック・管理がしやすくなり、フレキシブルに次の配信ができます。ブロックチェーンは何千ものノードが集まって構成されていて、取引はブロックチェーン全体にわたり記録されているため、この記録は変更不可能、つまりハッキングされる可能性がなく、曖昧な点が全くないのです。

また、ユーザー側には、これまで大手のレーベルでは出会えなかった、新しいミュージシャンとの出会いや、多くの音楽が適切な価格で購入できるようになるメリットもあり、今後アーティストによっては、独占コンテンツ、コミュニティでの交流なども可能することも計画に含まれています。

 

■ 速い入金

現在のミュージックシーンでは、アーティストが印税を受け取るまでに何か月、時には何年もかかることがあります。ブロックチェーン技術に基づくスマートコントラクトを導入すれば、これは解決できます。

スマートコントラクトが自動的に取引と合意内容を実行するため、アーティストや権利保有者はダウンロードやストリーミングの印税をほぼ瞬時にサービスプロバイダーから受け取ることができます。この流動性は直接、大多数のミュージシャンやクリエイティブな仕事をするプロが生活を維持する助けとなりますし、より重要なことは、彼らが創作にもっと集中できるようになります。

 

■ ファンとの強い絆

ソーシャルメディアによってアーティストとファンの距離が近くなったとはいえ、多くのファンは自分の好きな音楽やアーティストともっと強く結びつきたいと願っています。熱狂的なファンに対しては、直接的な支援や新曲のプロモーションといった実際の支援をお願いすることもできますが、多くのアーティストにはその手段がありません。デジタル音楽がブロックチェーンを通して購入された際の報酬は権利保有者に行くことは承知の上で、ファンは好きなアーティストの長期的成功や全体的なビジョンの持続に貢献します。

クラウドファンディングは、ブロックチェーンのもう一つの素晴らしい可能性です。eMusicが近い将来、ブロックチェーン・プロジェクトに導入する機能のひとつです。

このクラウドファンディングでは、個別のファンがアーティストの楽曲の部分オーナーになることが可能です。したがって、印税も発生するのです。楽曲が売れるたびに、その楽曲制作を初期から支援したファンには、その一部が分配されます。

この分配された収益はブロックチェーンに記録され、ダウンロードやストリーミングに対するファンへの印税支払いを可視化します。これでファンは好きなアーティストから実際に報奨金を受けられ、自分がサポートした音楽が普及する過程を楽しむことができます。

 

 

3)eMusicの競争優位性

ブロックチェーンを使うことを目的とした新しいプロジェクトではなく、すでに多くの人に20年間利用されてきたサービスにブロックチェーン技術を活用している点が、他のプロジェクトと大きく異なる点です。

eMusicは、世界初のデジタルミュージックストアとして1998年に誕生しました。4,700万人を超えるユーザ登録があり、9億4500万本以上のトラックをすでに販売しています。

 

 

4) eMusicでできること

■基本的な特徴

Token-only Sales
トークン所有者限定価格で、特定の曲やアルバムを購入できる。

Exclusive Content
トークン所有者だけ利用できるコンテンツを提供。

Cloud Storage
一定以上のトークンを購入したユーザーは無限のクラウドストレージが利用可能になる
(※一定額のクレジットサブスクリプションを実施したユーザー限定)

User Rewards
ユーザーは追加のトークンを入手し、「eMusic」プラットフォーム上でより多くのコンテンツを購入したり、他のユーザーとの交流が可能になる。

Wishlist Grants
ウィッシュリストに登録したコンテンツ(例:5つのフルアルバム)をトークン所有者だけが参加できるコンペを実施

Self-Publishing
コンテンツを自分自身で「eMusic」オンラインストアに納品・リリースが可能に。データの所有権まわりの合意が整えば、その日のうちに「eMusic」上でコンテンツが販売可能になります

Customer Support
デジタルウォレット利用に関するアシスト、トークンの送付や受け取りのやり方指導、個人鍵(暗号化された鍵)管理について、顧客に徹底したサポートを実施

 

■追加機能

Rating Reviews and Enhanced User Interaction:
「eMusic」トークンを利用し、他のユーザーや専門家によるレビューを評価。コミュニティにおける議論の活性化や、価値あるレビューを提供する他、間違ったデータを指摘するなどの形でプラットフォームに貢献すると、その報酬として「eMusic」からトークンが付与される

Promotion
アーティストは「eMusic」からトークンを特別付与され、熱狂的なファンを惹きつけるためのマーケティングを実施可能。アーティストはこれまでとは異なる方法でファンにアプローチし、彼らを虜にすることができるようになる

Rights Exchange
トークンを利用して、音楽と関係する資産、アーティストがもつ権利、ミュージックスコア(楽譜)などを、「eMusic」プラットフォーム上でやりとりできるようになる。この権利の管理は、スマートコントラクトを利用して行われ、ロイヤリティーの一部や全部を、物やサービスを所有する権限を獲得するために利用することもできる

Rights Tracking
電子的なウォーターマーク(権限が誰に寄与するかなどを示す言葉や図柄)をダウンロードコンテンツに付与、元データの所有者の権利を守ると同時に、海賊版の摘発に最適

Crowdfunding
クラウドファンディング・プラットフォームを開発中。これにより、アーティストは新しい作品を出品、出資を募ることができる。※SEC(証券取引委員会)の規制に則って実施

 

■参考

ホワイトペーパー(日本語)
https://token.emusic.com/assets/pdf/eMusic_White_Paper_JP.pdf?d=1539829835622

eMusic、ヒップホップ音楽関係者のための「A3Cカンファレンス」に登壇決定!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000031637.html

eMusic、日本での音楽購入解禁!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000031637.html

ブロックチェーンで音楽業界を透明化、音楽アーティストのためのプラットフォーム「eMusic(イーミュージック)」日本初上陸!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000031637.html