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仮想通貨ってコピーはできないの?

2019.02.07

コラム

仮想通貨ってコピーはできないの?

法定通貨でも絶えぬ偽造、仮想通貨なら?
円やドルなど各国の法定通貨では、しばしば偽造された紙幣や硬貨による事件が発生しています。そのため日本を含む世界の各国は、偽札への対策として時に応じた最新技術を導入し、常に簡単には複製されない仕組み、偽物が見破れる方法を編み出してきました。

あわせて偽造を行った者に関しては、社会の基盤となる国家秩序を揺るがしかねない行為に及んだものとして厳しく罪に問い、罰することで、その貨幣としての信用性・安定性を、現在に至るまで確保してきています。

では、近年高い関心を集めているブロックチェーン技術を基盤とした仮想通貨の場合はどうでしょうか。厳しい監視のもとにあり、物理的にも複製が困難な技術を総動員するかのようにして作成されている、これまでの法定通貨でさえ偽造が相次いでいるのに、特定の管理主体が存在しない仮想通貨に不正なコピー・偽造がなされる心配はないのでしょうか。

そもそも仮想だし、知らないうちにコピーで増やされていたら、あっという間に大混乱に陥ってしまうのでは?取引で偽物を購入させられてしまうリスクはないの?と不安になる方もあるでしょう。今回は、そんな仮想通貨に対する素朴な疑問・不安にお答えしていきます。

デジタルだからなおさら簡単そうだけど?
当然のことですが、仮想通貨はオンライン上のネットワークシステムで創出・共有された概念価値としてあるものであり、完全にデジタルデータで表現されるものです。

そして一般論として、デジタル化されたものは、どんなものも簡単にコピーを作ることができます。映像にしても、音楽にしてもそうです。情報として誰もが手軽に入手でき、その恩恵に等しく与れるものとするこの複製技術の進展は、インターネットの存在により、大きく世界を変えることともなりました。

仮想通貨もまた、デジタルデータである以上、コピーが容易という性質から離れることはできません。1単位のコインから、プログラムファイルをコピーするなどして、何千倍、何万倍と膨れ上がらせてしまったらどうなるのか、熟達したハッカーなどがそれを自分の利益にしてしまうといったことはないのかと考えられるのも自然なことです。

コピーもオリジナルも見分けがつかなくなるデジタルの世界、そこにある仮想通貨がコピーや書き換えのリスクを抱えながら、混乱に至らないのはなぜなのでしょう。実はここにもブロックチェーン技術の大きなポイントが複数関係しています。

コピー利用が実質的に不可能な仕組み
まず仮想通貨は、システム上でやりとりされるデータとして、全てにIDとなる固有の番号がついています。そして、それを利用する権利がどのように移行していき、現在どこに帰属しているのか、その全履歴がブロックチェーンに記録され、公開されているのです。

この価値移転を示す取引記録は、オンライン上で、誰でも時間や場所を問わず閲覧することができます。そのため不正なコピーや偽造、改ざんといった行為に関し、それがすぐに見て取れる仕組みさえあれば、たとえ集中的な管理主体がなくても、他のメンバーからおかしいと指摘され、不正が簡単に発覚してしまうことになります。

ここで1つ目のポイントとして、仮想通貨はP2Pネットワークという相互管理の仕組みの上に成り立っているということがあります。P2Pはファイル共有ソフトなどで知られますが、中央サーバーなどにアクセスするのではなく、ネットワーク上のコンピュータ(ノード)同士で直接情報をやりとりし、そのコピーを皆で保持し合う形式になっています。

よって、仮に1カ所でコピーや改ざんに成功しても、そうでない正しい記録が世界中に残っていることになり、それら全てを改変してまわることは実質的に不可能となります。ここで正しいかどうかを判断する上では、多数決の原理が採用されるようになっており、不正コピーや改ざんをはじめ、サイバー攻撃などで生じた障害も、全て正しくない記録と判断され無効化、再び正しい記録のみに収束するものとなっているのです。

つまり、互いに確かさ、正しさを保証し合い、不正や間違いがないかを監視し合い、皆で適正な運用を自然に維持していく仕組みが機能しているということです。

2つ目のポイントとして、ブロックチェーン技術ならではの特性もあります。これは“不正がすぐに見つかる”という部分に関係するところです。ブロックチェーンでは、個々の取引データやブロックデータについて、一方向性関数のハッシュ関数により、暗号化が施されています。

この暗号化結果であるハッシュ値は、元データからは容易に算出できますが、逆にハッシュ値から元データを復元することがおよそ不可能といえる特徴があり、元データが少しでも変化すると、全く違うハッシュ値になるという性質も持っています。

ブロックチェーンのブロックは、直前のブロックのハッシュ値を含むかたちで一方向に連結されていくため、ある箇所に不正や障害が発生すると、すぐに矛盾が生じて、どこがどうおかしいのか明白に分かります。矛盾を消すためには、それ以降全てのデータを書き換えていかねばならず、それだけの計算リソースを投入することは現実的に不可能です。

不正部分と正しい部分とにチェーンが分岐しても、伸び悩んだ方が間違っていると判断され、吸収・無効化されるため、最終的には不正が失敗に終わります。

このように、仮想通貨は理論的に、また一時的に、であればコピーや偽造が可能ですが、ブロックチェーン技術を基盤としているため、現実的には不可能となっているのです。

さらに仮想通貨が送金取引時に、秘密鍵を用いた電子署名を行い、公開鍵暗号の方式で、確かにそのコインを動かす権限を持った本人による適正な取引か、確認できる仕様となっていることも、データのコピーなど改ざんがきわめて困難となっている要素として働いています。

いかがでしたか。結論として、仮想通貨はデジタルデータとしてコピーや書き換えが可能であることは確かです。しかし、仮想通貨を成り立たせている一連のシステムはそれを許さず、事実上不正を不可能にして、通貨としての信用性ある取引を実現させているのです。今回はごく簡単に説明しましたが、その仕組みを詳しく知れば、さらに安全性に対する理解も深まるでしょう。ぜひブロックチェーンなどに関する詳細知識の習得にも努めてみてください。

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(画像は写真素材 足成より)