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似てる?似てない?分散コンピューティングとブロックチェーン

2018.11.26

コラム

似てる?似てない?分散コンピューティングとブロックチェーン

分散を冠する似た概念のようだけれど……?
高い信頼性と透明性、安定性を有したものとして、大いに注目されるところとなったブロックチェーンは、既存の暗号技術の組み合わせなどによって成立しているアイデアの革新性に加え、インターネットそのものに匹敵するほど、幅広い用途への応用が可能と見込まれることから、次世代インフラとして期待が高まっています。

日本では、とくにビットコインなどの仮想通貨と合わせて紹介・解説されることが多く、その文脈で知られるものとなったため、ビットコインとブロックチェーンをまるで同じものであるかのように誤解しているケースもいまだ見受けられますが、ブロックチェーンはあくまでも仮想通貨の基幹技術で、分散台帳を実現する技術概念、新しいネットワークシステムのかたちです。

ところで、このブロックチェーンでは、これまでのWebサービスとは異なる点として、“分散”が大きなキーワードとなっていますが、これを共通に冠するものとして「分散コンピューティング」という技術もあります。

計算処理の仕組みとして、インフラ・プラットフォームとしてみたとき、分散コンピューティングとブロックチェーンはどのような関係性にあり、どういった点で違いのあるものなのでしょうか。今回はこうした点を整理しながら、より理解を深めていくことを目指します。

分散コンピューティングとは?
まず、そもそも分散コンピューティングとは何なのか、基礎を押さえましょう。分散コンピューティング(Distributed Computing)は、ネットワークを介し、複数のコンピュータを結びつけることで、より高性能な計算処理が可能な仮想コンピュータを構成する技術であり、かつてはスーパーコンピュータなどを用いなくては行えなかった複雑かつ膨大で、処理に多くのリソースと時間を要する計算を、通常のパソコンやワークステーションによっても可能にする仕組みです。

ネットワーク上に分散して存在する複数のノード(コンピュータ)にそれぞれが行う仕事を割り当て、全体の処理を並行、分散処理させることにより、たとえ個々のノードの性能は低くても、高速で正確な計算を実行できるメリットがあります。

各ノードが地理的に遠い場所にあっても、ネットワークで接続するため何ら問題はなく、さまざまな構成で単一のコンピュータのように働かせることができるのです。

参加ノードの増加を通じ、システムの拡張が容易なほか、仮にどこかのノードが1つまたはいくつか複数、障害を発生して機能しなくなっても、ネットワークでカバーできるため、作業停止に陥ることもありません。個々の性能は低くてもかまわないため、冗長性の実現や性能アップに大きな費用をかける必要がない点も優れています。

ノードが力を出し合って実現させる、このオープンでスケーラブルな仕組み、高い安定性と能力をもって機能させられる特徴は、まさに“分散”ならではのメリットであり、ブロックチェーンとも共通するところがありますね。

ブロックチェーンとの違い
しかし、やはり分散コンピューティングとブロックチェーンは本質的に異なるものです。そしてその決定的な違いは、ノードのする仕事、関わる計算処理にあります。

分散コンピューティングでは、全体で処理を達成するため、各ノードは個々割り当てられた分の計算を行うようになっていましたね。これに対し、ブロックチェーンはネットワーク全体で計算処理の運用を進め、発生した全取引データを台帳として記録、参加するノード全てが同一の台帳を共有して承認し合い、信憑性を確保し合っています。

つまり各ノードが等しく全計算の処理と結果に携わっており、ネットワーク上に存在する不特定多数の参加者が、みな同一の仕事内容を担っているのです。

ノードのそれぞれが割り当てられた仕事を実行し、それぞれに出た結果を集約している分散コンピューティングと、等しい地位で同一の仕事内容を担い、同じ計算処理で結果を共有、確かさを承認して維持し合うブロックチェーン、このように同じく分散型をとるベースがあるものの、両者には大きな違いがあります。まずはこの相違点を理解し、整理して把握するよう努めてください。

ちなみに、実は分散コンピューティングとブロックチェーンには、「ビザンチン将軍問題」と呼ばれる難題をめぐる関わりもあります。これは、分散コンピューティングでアルゴリズムを実行中に発生しうる「ビザンチン故障」、個々が行う処理の妥当性についての問題なのですが、それはまた次の機会に詳しくみていくこととしましょう。

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(画像は写真素材 足成より)