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P2Pストレージで出てくる「コンテントアドレス」とは?

2018.11.22

コラム

P2Pストレージで出てくる「コンテントアドレス」とは?

期待される分散型ストレージシステム
暗号通貨の基盤技術として一躍注目を集めるものとなったブロックチェーンですが、その革新性と可能性、将来性の肝は、暗号技術とP2Pの分散ネットワークにおける合意形成とシステム運用の仕組みにあるといっても過言ではありません。

この仕組みは、全てのトランザクションデータを安定的に記録・保持し、不特定多数の誰もが自由に閲覧可能で、データに対する不正な改ざんや削除などの操作を事実上不可能なものとするほか、高いセキュリティ性と透明性を確保することができるものです。

また、どこかで予測不能な障害が発生しても常に動作し、機能し続けるゼロダウンタイムをも実現できることから、公共性の高いインフラとしても活用できるでしょう。もちろん一般個人や企業にとっても、この信頼性・安定性は今後さらに発展するであろうデータ社会において、非常に高い魅力をもつものととらえられていくと考えられます。

そうした背景から、ブロックチェーン技術をベースに、分散型のファイルストレージサービスが生み出され、徐々に注目を集め始めています。将来性の高いシステムですが、特有の仕組みや用語などから、やや分かりにくい部分があることも事実です。そこで今回は「コンテントアドレス」など、鍵となるワードを中心に、その概要をみていきましょう。

どういう仕組みで保存?データの見つけ方は?
データストレージのサービスといえば、クラウドサービスとして一般化していますが、従来のものはいわゆる中央集権型のサービスで、事業者によって運用されています。

ユーザーは任意のデータファイルをアプリなどを通じてアップロードしますが、クラウド保存されるにあたり、データはインターネットを通じてまずプロバイダに転送され、さらにデータセンタ内にある管理サーバーへと転送、格納されるといった流れになります。

この流れでは保存に際し、複数のコピーファイルが作成されるケースが多いほか、個人情報を預けなければならず、事業者への信頼に常に依存的で、本質的不安を拭い去ることはできません。技術的に検閲がなされる可能性は否定できませんし、サービスが停止してファイルが取り出せなくなることもあり得ます。またインターネット回線で転送する過程でマルウェアに感染したり、データを盗み見されたりするリスクもあります。

一方、分散型ファイルストレージの場合、データはブロックチェーンをベースにしたP2Pネットワークで、参加ノードの全てと共有・保存されます。皆が同等な地位にあるP2Pですから、特異点は存在せず、故障やサイバー攻撃によるシステムダウンの心配がありません。ノードがゼロにならない限り、運用が停止することもなく、およそ永久的にサービスの継続が保証されます。事業者都合などで、データが取り出せなくなる、消失するといったリスクがありません。

こうした分散型ストレージでは、一般的にユーザーはファイルをアップロードする際、ファイル自体をハッシュ関数にかけて独自のハッシュ値を得、これをネットワークで共有する仕組みになっています。保存するP2Pネットワークのノードには、あらかじめ対象ハッシュの識別用接頭辞が決められており、この特定値とハッシュ値でデータを効率よく分散管理するのです。

保存するファイルデータは、暗号化されて細切れになったハッシュ値の状態でやりとりされ、復号のための情報をもつデータ所有者本人やアクセス権限を有する人にしか取り出せず、閲覧することもできません。こうして高いプライバシー性とセキュリティ性、ゼロダウンタイムを実現させた理想的な保存システムが成立することになります。

このようにネットワークに上げられ、ブロックチェーンに書き込まれるのは、基本的にファイルのハッシュ値のみとなり、本体データファイルは別に分散ストレージなどに置かれるのが、従来のストレージとは大きく異なる点で、この論理的な配置決定や、検索時のファイル特定に用いるものを「コンテントアドレス」といいます。

コンテントアドレスは、ハッシュ値としてデータに固有のものですから、これを指定することでファイルを特定、格納された位置を読み出し、ハッシュ化する前のデータを復元できるという流れになります。

この手法ならば、重複するデータも、全く同一のデータならばハッシュ値も同じですから、同じ配置にあるデータを参照するものとなり、別々に格納されてデータ容量が不必要に増えていく、検索・管理が煩雑になるといったこともありません。

いかがでしたか。コンテントアドレスを鍵に、ブロックチェーンベースのP2Pネットワークによる分散ストレージとすることで、より安全に、永続的に、さまざまなデータファイルが効率よく保持され得ることがみえてきたかと思います。このメリットが広く理解されていけば、将来的にこちらが主流となる可能性も高いでしょう。ぜひ今のうちに理解を深めておきたいですね。

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(画像は写真素材 足成より)