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将来性があるからこそ考えたい、P2Pのデメリットとは?

2018.11.12

コラム

将来性があるからこそ考えたい、P2Pのデメリットとは?

ブロックチェーンでも不可欠のP2P
近年、インターネットにおけるP2P(Peer-to-Peer)が、次世代技術の基盤を支えるものとして脚光を浴びています。従来のWebサービスやサイトの形式と異なり、提供事業者のサーバーに依存しないものとなることから、ネットワークへの常時接続状態とデバイスの多様化・性能向上、それらに伴う取り扱いデータの増大が顕著に進む今日にあって、ボトルネックの問題を回避するという観点でも、P2P形式は有効に機能すると期待されます。

役割が固定され、ユーザーはクライアントとなってサーバーの機能を利用する、従来のスタイルでは、メンテナンスやシステム障害など、どうしてもシステムが停止してしまうことがあり、膨大なデータでサーバーが落ちてしまうリスクもあります。

しかしP2Pであれば、大容量のデータをやりとりしても、どこかのポイントがサイバー攻撃を受けたり、災害や機器故障など予測不能で避けられない事態の発生で深刻な被害を受けたりした場合でも、ネットワークの特異点となる中央サーバーがそもそも存在しないため、Peerなノードが補完し合うことにより、ほぼ完全なゼロダウンタイムを実現できます。こうした障害にきわめて強い仕組みを構築し、万が一の際も他からデータを復元できるといったメリットは、とくに頼りになるポイントでしょう。

ほかにもさまざまな利点が存在し、次世代ネット社会との相性が良いと考えられるP2Pですが、もちろんメリットだけでなくデメリットも存在します。ブロックチェーンにおいても不可欠の仕組みであり、高い将来性のあるモデルだからこそ、冷静にそのデメリットも把握し、賢く利用していくことを考えねばなりません。そこで今回はP2Pのデメリットについて、詳しくみていきます。

全体像の見えにくさ、柔軟性ゆえの管理のしづらさ
従来のクライアント・サーバー型と呼ばれるスタイルの場合、情報は中央サーバーにすべて集められ、そこから機能の提供を行うなどする仕組みとなるため、基礎の設計はシンプルで構築しやすいものとなります。サービスを安定的に支えるだけのサーバー性能は必要で、運用・メンテナンスにコストはかかるものの、管理者・開発者にとって全体像が把握しやすく、リソースさえ確保できれば作りやすいともいえます。

しかしP2Pのネットワークモデルは、中央サーバーを置かず、直接ノードが接続し合うものとなり、複雑な網目構造をとって広がっていくスタイルであるため、全体像を把握しにくく、ルールや環境など、ユーザー(ノード)の同意をとりつけながら進める必要性などで、実装ハードルが高くなる傾向があります。

これはP2Pネットワークが自律分散的に構築、制御される性質のものであるからこそで、メリットの裏返しといえます。各ノードが対等な関係で、情報を常に集約するポイントがないことから、集中的な制御や管理が難しく、ルール違反にあたる取引でも停止や削除をさせにくい、無法地帯と化しやすい危険もあります。

悪意ある振る舞いのノードであっても、自由に参加できるオープンなネットワークであり、管理者の制御も及ばないことから、セキュリティリスクが高い点もデメリットです。かつてファイル共有サービスがP2Pネットワークを採用していましたが、こうしたファイル交換でウイルスを仕込まれ、ネットワーク上に流出すると、ウイルス感染の広がりと影響は深刻なものとなります。

過去には、ファイル共有サービスを利用していたユーザーが、その端末内に保存していた重要データや画像・動画といったデータを流出させてしまう事件も多発しました。中央集権的で管理権限を有したポイントがあれば、そうした事態や不正に対し、迅速に対応して広がりを食い止めるという手段を行使できますが、P2Pではそうした特別な権限を有する者がおらず、対応手段もないことがセキュリティリスクになるのです。

情報集約を行うポイントがないため、問題が発生した後に、対象ノードの追跡を行ったり、統計情報を収集したりすることも困難です。高い匿名性を発揮し、プライバシーを保護する仕組みとして機能している限りはメリットになりますが、動作確認が必要なシーン、信頼と安心を確保すべきところでは、デメリットにもなることを考えておくべきでしょう。

課題への対応と個々の責任意識
いかがでしたか。P2Pには、こうしたこれまでの仕組みとは異なる特性ゆえのデメリットがいくつか存在します。分散型のネットワークとして、参加ノードすべてが対等になるということは、個々の責任も対等になるということで、信頼し合って責任やリスクも分担しなければならないことを意味するのです。

中央サーバーが一手に責任を引き受け、それに依存するスタイル、個々のユーザーが自ら責任を負うスタイル、それぞれにリスクがあり、技術や仕組みはそれを理解して活用していかねばなりません。

より利便性・安全性を高めるため、P2Pモデルでも、他のセキュリティの仕組みと組み合わせたり、許可を受けたノードのみがシステムに参加できるといった制限を設けたり、さまざまな工夫も始まっています。

課題はありますが、P2Pはブロックチェーンを支える重要なモデルであり、これまでのWebサービス、中央集権型のネットワークにはないメリットと可能性を秘めていることも確かです。見出された価値をより有用に引き出していきたいですね。

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(画像は写真素材 足成より)