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今更聞けない「スマートコントラクト」って?概要と将来性を知る

2018.08.20

コラム

今更聞けない「スマートコントラクト」って?概要と将来性を知る

イーサリアムでよく聞くスマートコントラクトとは?
ブロックチェーンを基盤技術とする暗号通貨(仮想通貨)について、少し知識を身につけていくと、ビットコインと並んで主要な存在になっているイーサリアム関連で「スマートコントラクト」というワードに出会う機会が何度も出てくるでしょう。

聞き覚えがあるという程度しかなく、まだ馴染みがないという方はもちろん、何か効率よく事が行えそうなイメージはつかめていても、いまいちその内容がよく理解できないままになっているという方も少なくないのではないでしょうか。

しかしこのスマートコントラクトという概念こそ、イーサリアムが既存の社会システムを大きく変える軸になるのでは?と期待される鍵を握るものであり、ここを理解しなければ、その将来性や展望を考えることはできません。そこで今回は、このスマートコントラクトについて解説していきます。

スマートコントラクトという概念の誕生
スマートコントラクト(Smart Contract)というワードは、直訳すると“賢い契約”“洗練された契約”となります。この概念は、実はイーサリアムやブロックチェーンよりも前から存在していました。法学者で暗号学者、コンピュータサイエンティストのNick Szaboが1994年に提唱しています。

定義が完全に固まっているものではないため、表現が難しくなりがちですが、およそ一般的には、契約取引のスムーズな検証と実行、交渉を目的としたコンピュータプロトコルであると理解されます。第三者を介することなく、トラストレスでも信用が担保されたトランザクション(取引)を処理できる点が最大の特徴で、「契約の自動化」などと表現されることが多くなっています。

提唱者であるNick Szaboは、自動販売機を例に挙げていますが、あらかじめプログラム化して設定することにより、あらゆる契約行動で、要求する一定の執行条件が満たされれば、あとは自動で取引が実行される、これがスマートコントラクトの仕組みです。

自動販売機では、利用者がお金を入れ、ジュースなど購入したいものを選択、すると中から商品が出てきて、おつりが発生する場合にはその分も返却口から出てきますね。ここで自動販売機側が購入者の確認を行ったり、利用者がこの販売機は本当に商品が出てくると信用できるだろうかとメーカーを確認したりといったことは通常、ありません。

こうした一連の流れが自動で第三者を挟むことなく、そして信用の必要もなしに必ず実行されるのがスマートコントラクトなのです。

そしてイーサリアムは、ブロックチェーン上でこのスマートコントラクトを実装可能とした初の暗号通貨プラットフォームであり、それを活かした関連開発がもっとも進んでいるものです。そのため、イーサリアムとスマートコントラクトはセットで言及されることが多くなっています。

イーサリアムとスマートコントラクトが描き出す未来
イーサリアムはビットコインなどと同じく、ブロックチェーンを基盤技術とする暗号通貨プラットフォームで、誰もが自由に参加できるDapps(分散型アプリケーション)の構築が可能なものです。

暗号通貨としてのイーサリアムは、現在、多数存在する暗号通貨の中でも、時価総額が非常に高い主要なもののひとつとなっていますが、イーサリアムの場合、プログラムのことを「コントラクト」と呼び、もともと“契約”の仕組みが組み込まれているという特徴があります。

ビットコインも主要な暗号通貨で、Dappsのひとつであり、中央集権的な管理主体が存在することなく、不特定多数の参加者同士で真正性が保たれる自律可動型のプラットフォームになっていますが、原則として決済に特化しています。ここがイーサリアムとの違いで、イーサリアムはスマートコントラクトとしての契約を組み込み、よりその実社会における応用可能性を高めているのです。

イーサリアムでの展開を大まかに説明すると、契約取引をプログラムとして用意する人が、まずコントラクトを作成してデプロイ、イーサリアムのブロックチェーン上に配置します。そしてコントラクトに設定した命令を送れば、あとはスマートコントラクトの仕組みで取引が動き出し、ブロックチェーン上での改竄不可能な記録や暗号通貨のやりとりと組み合わさって、ビジネスが回転していくことになります。

ブロックチェーンの技術概念に支えられた、トラストレスで改竄・不正がきわめて困難な安定性の高い取引、ゼロダウンタイムで実行される仕組み、非中央集権的であることから生まれる透明性の高さと優れたセキュリティ耐性、参加者へのインセンティブによる自律経済圏の確立と管理主体の不在で得られるコストの低減効果といったメリットをそのままに、契約の細かな条件や複雑な履行内容、取引条件・実行などをあらかじめブロックチェーン上にプログラミングすることで自動化を実現し、任意の領域におけるビジネス活用を容易にした、これが非常に大きなポイントなのです。

社会に存在するさまざまな契約では、これまで内容の確認に多くの時間や人的手間を要し、高いコストがかかっていました。ネットショッピングにおけるトラブルなどをみても分かるように、商取引としての安全性や信頼性をどう高めるかも、大きな課題であったといえます。

イーサリアムのスマートコントラクトを利用すれば、こうした問題を解決し、多数の契約書類や本人確認、決済対応といったステップをカットしても、確実な契約の締結・履行、スムーズな取引が可能になります。コストも削減されるため、還元されるメリットは非常に大きいものとなるでしょう。

この仕組みは、不動産取引や著作権保護、証券取引、分散型取引所、ゲームなどさまざまな方面で活用・開発が始まっており、今後も多様なサービスの実現、実用化が進んでいくと考えられます。

(画像は写真素材 足成より)