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今後の世界はブロックチェーンでどう変わる?近未来を考える

2018.08.17

コラム

今後の世界はブロックチェーンでどう変わる?近未来を考える

さらなる応用が見込まれるブロックチェーンの将来性
インターネット登場以来、最大のインパクトをもつ発明ともいわれ、高い関心をもって受け止められているブロックチェーン技術ですが、現在世間を賑わせている暗号通貨以外に、どのような利活用が見込まれているのでしょうか。そしてそれは私たちの生活をどのように変えていくのでしょう。

ブロックチェーンがもつ真の革新性を理解すべく、今回は現在進行形で進むブロックチェーンベースのサービス開発最前線と将来性、今後の応用が期待される分野などについてご紹介します。

ブロックチェーンといえば暗号通貨(仮想通貨)と考えている方も少なくありませんが、実は暗号通貨もブロックチェーンの技術概念を基盤とするサービスのひとつにすぎません。

ブロックチェーンは、従来の社会システムや一般サービスのように、特定の管理主体や権力を有する中心が存在せずとも、自律的に回転・成長していく非中央集権型のモデルで、透明性が高く平等、誰もが自由に参加できる、信頼性と安定性の高いオープンな仕組みを構築することができます。

秘匿性の高い個人情報は保護しながら、いったん記録すると本人も勝手に削除したり編集したりすることはできない、高い改竄耐性とセキュリティ性、たとえ攻撃を受けたり、障害が発生したりしても、正しいデータを復元して変わらず運用を維持できるゼロダウンタイムの永続的で確実なメリット、比較的低コストで維持できる特性など、その優れた点を活かしたアイデアに、ぜひ皆さんも近未来への想いを馳せてみてください。

応用開発が進行中の事例
まず、現在どのような応用が検討されているかみていきましょう。まず親和性の高い金融分野では、国際送金の仕組みが整いつつあります。「Ripple Project」と呼ばれるもので、従来の時間もコストも、為替リスクもかかるストレスの多い送金を、ブロックチェーンの分散台帳技術(DLT)を用い、世界の銀行をつないだリアルタイムソリューションネットワークとして構築しようとしています。

日本国内の銀行を含め、世界の大手100行以上が参加予定で、実証実験では、何日もかかっていた送金が数秒で完了、コストも6割近く削減されるという結果も確認されました。ますます広がるグローバルビジネスの基盤として、あらゆる業界を支えていく可能性があるでしょう。

貿易取引の事務手続きを改善させる試みも、世界各地で進んでいます。従来の方法では、輸送時間がかかるため、商品引き渡し時と代金決済時でラグが生じ、スムーズな取引が難しい課題がありました。情報の行き違いなどもあり、不透明な部分が残されていたこともあります。

ここにブロックチェーン技術を導入することで、取引関係者がチェーン上で情報をリアルタイムに共有、確実で信頼性が高く、スムーズに取引できる環境が整うと考えられているのです。シンガポールやドバイ、香港、オランダで実証実験が進むほか、日本でも東京海上日動やみずほFGなどがサービスを検討しています。

エネルギー分野では、「TransActive Grid」というプロジェクトで、ブロックチェーンをベースに、自家発電で生み出された余剰電力を、直接近隣住民と売買する仕組みが開発されています。

権利関係の管理として、不動産登記や著作権領域での応用も活発にサービス開発や実証実験が行われるようになりました。米Binded社は、ブロックチェーン上に登録された画像の著作権に関し、証明書を発行するサービスを構築しており、作品と権利関係情報をタイムスタンプ付きで記録、作品の存在と権利帰属を確実に示して適正に管理するものとしています。同社は資金調達も順調で、今後の画像著作権管理におけるデファクトスタンダードサービスに成長する可能性もあるとみられています。

未来予測というユニークなジャンルに切り込む例も登場してきました。こちらは暗号通貨の「Augur」と結びついたもので、いわば胴元のいない自由な未来予測の賭けを、スマートコントラクトの組み込みで自動市場として行っていきます。

一見、次々に立てられる未来予想はいい加減なようでも、皆が知恵を絞って予測、大人数による推定結果となるかどうかで、より確実なものが浮上してくる未来予測市場となっている点や、予測結果の正誤レポートがインセンティブで積み重ねられていくことにより、保険やマーケティングなど、さまざまな将来にかかる分野のデータとして活用されていく可能性を秘めています。

今後の展開・革新が期待される分野
次に、今後ブロックチェーンがもたらしうる革新、実現が見込まれるサービスについて考えていきましょう。まず本人確認の一元化が実現可能です。オープンかつ高セキュリティ、不正改竄が困難であることなどから、本人確認が必要なあらゆるサービスやシーンと結びつくシステム基盤を構築、個人情報の一元的管理を実行できると考えられます。

Webサービスへの登録を公開鍵だけで簡単に可能とすることはもちろん、身分証明書の提示も不要な本人確認をリアル店舗や窓口で実現できたり、就職に際しての履歴書記入・提示も不要になったりと、あらゆるサービスで提供者も利用者もストレスのない本人確認・認証が、プライバシーの保護を図りながら、スムーズに行えるようになる可能性があります。

近年、転売が問題となっているチケット販売の仕組みも改善できるでしょう。ブロックチェーン上でのイベント登録と参加希望者のチケット購入、入場権利の付与、当日の確認提示といった仕組みを一連のものとすれば、不正な転売は行えません。

ハッキングや人為的なミスによるデータ逸失、システムダウンなどのトラブルリスクを抱えるクラウドストレージサービスも、ブロックチェーンで安全性や利便性、信頼性を向上させられると見込まれるものの代表的事例です。

拡大・浸透が見込まれる一方で、セキュリティや膨大なデータ処理に不安の残るIoT領域も、ブロックチェーンが課題を解消してくれる可能性が高いと考えられています。

本人確認システムとも関連しますが、医療分野での個人データ管理・活用も期待されるところです。患者情報を一気通貫の個人単位で確実に管理・共有し、医療サービスと医療費の適正化を図ります。AI技術やロボットによる遠隔診療・手術などと組み合わせ、幅広い地域で安価かつ高度な医療の提供を可能にしようという構想もあります。

この他にも、電子投票や行政文書の管理、サプライチェーン・マネジメントに導入してトレーサビリティの向上と効率化、コストの削減、環境負荷の可視化などを図っていこうというアイデアも注目されています。

もちろん、現時点でのブロックチェーンが万能というわけではなく、乗り越えるべき課題もあり、技術そのものとしての改善・改良もなされていかねばなりません。しかし周辺技術とあわせ、今後の世界を変える大きな将来性をもっていることは確かでしょう。今後の動向に注目したいところです。

(画像は写真素材 足成より)