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ブロックチェーンにも種類がある?パブリックチェーンとは

2018.07.10

コラム

ブロックチェーンにも種類がある?パブリックチェーンとは

ブロックチェーンの形態による違いを理解しよう!
仮想通貨を支える基幹技術として知られ、メディアでも取り上げられることが増えた話題のテクノロジーに「ブロックチェーン」があります。仮想通貨以外にも、一般金融領域や不動産関連、物流、IoTなど、さまざまな分野での応用が期待され、スマートコントラクトとの組み合わせを中心に、社会全般の情報技術として革命をもたらす存在となるともいわれる、このブロックチェーンですが、その中身については、まだ十分な理解が広がっているとはいえません。

ブロックチェーンは、ごく簡単にまとめると、順序づけられた“ブロック”と呼ばれるデータ単位を時間の経過とともに生成し、ブロック内に記録するデータとタイムスタンプ、前のブロックに対するリンクを収め、チェーンのように連結・増殖させていくことで、遡及的に変更することが事実上不可能な不正に対する堅牢性をもたせたデータベースであり、分散型台帳技術とも呼ばれます。

分散して存在している点が特徴の、全取引がオンライン上に記録された仮想的台帳で、ネットワークに接続された無数の参加コンピュータが記録を同期してローカルに保持、更新を続けていくことで全体が保たれていく仕組みになっており、透明性の高さと不正・改竄の困難さ、サーバーダウンなどのリスクをカットした高い安定性、コストの最小化などがメリットとして生まれていますが、これらはブロックチェーン全体に対する大まかな理解で、もう少し詳しくみていくと、ブロックチェーンにも種類があり、それぞれに形態の違いや特徴、メリット・デメリットが存在するのです。

こうしたタイプの異なるブロックチェーンが生まれてきたのも、それがオープンソースのプロジェクトであることに由来し、ゆえに今なお進化を続けているともいえますが、理解を深めるに当たっては整理が困難な要因のひとつともなっているでしょう。ブロックチェーンの種類は、まずパブリックチェーンとプライベートチェーンに大別できますから、今回はそのひとつである「パブリックチェーン」にスポットを当て、解説していくこととしましょう。

不特定多数が参加する、より透明性の高い“パブリック”
ブロックチェーンでは、データ(トランザクション)の記録と参加者による承認のし合いがプロセスの2大ポイントとして働いています。パブリックチェーンとプライベートチェーンにおける最大の違いは、このうちの承認プロセスで、それを誰が担うのかという点にあります。

ブロックチェーンでは、参加者のうち、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)と呼ばれる値の計算者やプルーフ・オブ・ステーク(PoS)などの実行者として選ばれたマイナーが、記録を収める塊、ブロックを生成できます。

生成されたブロックは、他の参加者端末であるノードが同期したり、他のマイナーが次のブロックを生成、連結したりすることで、徐々に検証と承認が重ねられていきます。ブロックが不正と判断されると、承認しないということもあり得ます。この検証作業を経た承認が積み重なっていくことで、記録の正当性は高まっていくというのが基本の仕組みになっています。

パブリックチェーンでは、この流れにおける承認を、不特定多数のノードやマイナーが行います。パブリックという名が示すように、ブロックチェーンの中身は誰もが見られるかたちで公開され、ノードやマイナーになることも自由、誰でも希望すれば、秘密鍵と公開鍵を作成の上、ネットワークに参加してその役割を担うことができるのです。

このように、パブリックチェーンには開かれた真の公共性があり、自由に参加するネットワーク上の個々がみな平等、特定の権限をもった存在がありません。管理者としての力をもつ者や事業者もなく、完全な非中央集権化構造をもって運用されるのが特徴です。

仮想通貨の代表格になっている、Bitcoinの基盤技術として開発されたオリジナルのブロックチェーンは、このパブリックチェーンの形態をもつものであり、より厳密な意味でのブロックチェーンはパブリックチェーンだと考えてよいでしょう。

これに対し、プライベートチェーンは記録の生成や承認に携わることができるノードは一部に限られ、参加に制限があるものとなっています。ブロックチェーンの基本的な概念は継承されていますが、管理主体が存在する中央集権的構造があり、パブリックチェーンのような完全にオープンで自律分散型の仕組みからなるものではありません。

パブリックチェーンのメリット・デメリット
パブリックチェーンには、特別な権限を有する管理者が存在せず、自由な不特定多数の参加で成り立つという特徴から、民主的で非常に高い透明性を確保できるメリットがあります。管理者が自らの利益になるよう、不正・改竄を行うといったリスクがなく、ブロックが生成されるたびに全ノードによる検証と承認、正当性の担保がなされていきますから、非常に高い水準で改竄を不可能なものとすることができます。

不特定多数に開き、ノードが増えれば増えるほど改竄・不正に強いものとなって、皆で正しさを支え合う、誰もがブロックチェーンの中身まで常に参照できる仕組みからも、公共的な正確性がより確実に担保される、そうした大きなメリットがあるのです。自律分散的に処理され、特定の管理者、管理ポイントが存在しないことから、ダウンタイムがないこともメリットになるでしょう。

一方でこの仕組みの場合、PoWなど承認に際し、大量の計算能力と時間、電力消費を要することがデメリットとして挙げられます。不特定多数の無数なノードが厳格に承認を実行することで、それだけ多くのリソースが必要になる、仕組みを回すのに比較的時間もかかるという事態が招かれてしまうのです。これにより、手数料コストが高くなる場合もあります。

また、何らか改善につながる仕様変更を行う場合も、管理者が存在せず、全体のユーザーコンセンサスをとらなければならないことから、実現までにかなりの手間と時間を要してしまう問題もあります。

単独または少数者の独裁的なプロトコル変更のリスクがない点ではメリットですが、迅速な対処をとらねばならない問題が生じた場合に、時間的リミットまでに適切な対応がとれなくなる危険性は否定できません。

また、基本的に秘密鍵や公開鍵、ハッシュ値など暗号化技術を用いることで、参加IDが誰のものであるか分からないようになっていますが、参加者となれば、誰もがデータベースを閲覧・参照できる公共性をもたせているため、何らかの方法で鍵の所有者情報が取得されてしまうと、個人情報の保護が図られなくなってしまう可能性もあります。

このように、いずれもメリットの裏返しとしてデメリットが存在しますが、非中央集権的で自律分散型の仕組みがもたらす高い透明性と不正・改竄への耐性の強さ、安定性、自由と平等の確保といったメリットは非常に大きなものがあります。

どんな技術にもメリットとデメリットはありますから、特徴を理解した上で活用していくことで、ブロックチェーンのオリジナルであるパブリックチェーンは、今後、社会に多大な貢献を果たしていくと期待されるでしょう。

(画像は写真素材 足成より)